車両データ
車名:BMWミニ
年式:平成19年4月
走行距離:92,845km
状況確認
エンジンの調子が悪く、チェックランプが点灯したということで入庫されました。
早速テスターで調べてみると、「283D」「2865」「2B68」の故障コードが確認できます。
いずれもBMWの可変バルブ機構「VANOS」の関係です。
まず、テスターで可変バルブの学習をリセットし、再度テスターと通信して学習させてみました。
すると、インテーク側の噛むの開度は規定値に入っているのですが、エキゾースト側は規定値外になっています。
バルブタイミングのズレやVANOSソレノイドバルブの不良、油路のつまりなどが考えられます。
お客さまはとにかく修理費用を抑えたいというご希望でしたので、ヘッドカバーを開けてタイミングを見る前に、まずは簡単に交換できて安価な部品を交換することにしました。
タイミングチェーンテンショナーとVANOSソレノイドバルブは外から簡単に交換できるので、外して油路を清掃し、部品交換を行いました。
ですが、症状は変わりません。
となるとやはりバルブタイミングのズレが考えられるので、ヘッドカバーを開けて確認することにします。
この年式のミニは特殊な工具が無ければタイミングの確認ができません。
その工具を使いタイミングを見ていくと、やはりエキゾースト側がズレていました。
正しい位置にカムが来ると、この通りチェーンがたるんでいるのが分かります。
相当なズレになっています。
チェーンもかなり伸びているので、チェーン交換とバルブタイミングの調整で解決します。
チェーンはガイドと一緒に取り外しとなりますが、外してみるとガイドの一部が欠けていました。
チェーンが伸びて暴れたのが原因かと思われます。
新旧パーツ
クランクのスプロケットとガイドをチェーンに組んだ状態で入れていきます。
組み付けてタイミングの調整を行い、作業終了です。
エンジンをかけて学習させると、インテーク側もエキゾースト側も規定値に入っています。
試乗すると抜群に調子がよくなりました。
再発防止のアドバイス
こういった故障のほとんどはオイル管理ができていないことが原因となります。
メーカーでは15,000kmごとに、または6ヶ月ごとに交換することが推奨されていますが、やはりもっと早めに交換するに越したことはありません。
こまめなオイル交換を行い、大きな故障を予防するようにしましょう。