車両データ
車名:メルセデスベンツ ML350
年式:平成18年
走行距離:走行距離12万km
状況確認
「車が動かなくなってしまった」ということで、レッカーで運び込んでいただいた車両になります。
試したところ、ドライブに入れてもバックに入れても、確かに動きません。
このような状況の場合、オートマアッセンブリのどこかに異常が発生していることが考えられます。
まずはテスターで原因を調査します。
テスターをつなぐと車両の状況が表示されるのですが、それを解析していくことで不具合箇所を突き止めることができます。
数値を追っていくとオートマ内部のクラッチの不良だということが確認できました。
早速リフトアップし、オートマアッセンブリを取り外します。
アッセンブリを分解していくと、鉄粉がこびりついて、だいぶ汚れています。
長年乗っているとよくあることではあります。
これが原因でいろいろな箇所に不具合が生じるのですが、今回はクラッチに影響がでたということになります。
これを防ぐためには、オートマオイルを定期的に交換することがポイントになります。
交換時期についてはメーカーや車種ごとに違いますが、取扱説明書に記載してあることが多いので、まずはしっかり目を通すようにしましょう。
オートマアッセンブリを外して他の部分も確認していきます。
トランスファーは異常が無かったため、取り外してそのまま利用することにしました。
オーバーホール作業内容
今回はリビルト品のオートマアッセンブリが手に入ったので、それを利用することにしました。
トランスファーを組み込んで、車両に取り付けていきます。
取り付けが完了したところで、再度テスターの登場。
部品を交換したら、メーカーからの情報をオンラインで取得し、それを車両にインプットしていきます。
専用のテスターを所有している事業者は少なく、所有していたとしても使いこなすことができなければ宝の持ち腐れ。
操作を間違えてしまうと、逆に車両の故障を引き起こすことにもなってしまいます。
近年の車両は全てコンピュータ制御されているため、テスターを使いこなすことは必須となりますが、まだまだ整備工場ではそこまでできているところが少ないというのが正直なところです。
コーディング作業が完了したところで実際に車両を動かして動作確認。
問題無いことを確認した上で納車となります。
今回の作業のポイント
今回、オートマアッセンブリのリビルト品を利用しました。
リビルト品とは、故障したアッセンブリから利用できるパーツを集めて、問題なく動くように組上げたものになります。
カインズでは信頼できるリビルト専門業者さんとお付き合いがあるため、状態のいいものを入手することが可能です。
コストも修理期間も短縮できるため、お客さまにもご納得いただいています。
再発防止のポイント
今回のような症状を防ぐにはどうしたらいいでしょうか。
まずは前述の通り、取扱説明書に書いてある通りにオートマオイル等を交換し、いい状態を保つことを心がけてください。
ただし、お客さまの走行条件によっては、必ずしもそれが適正と言えないケースもあります。
カインズでは、整備させていただいたお客さまに定期点検のご案内をお送りしています。
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