2020.04.20

BMW 630i ESP点灯の原因

車両データ

車名:BMW 630i (E63)
年式:H18.2
車両型式:ABA-EH30
エンジン型式:N52B30A
走行距離:118636㎞

状況確認

ESP警告灯点灯
走行は出来るがハンドル操作に違和感がある

ほとんどがこの症状ならステアリングアングルセンサーなのですが、
ISIS(BMW専用テスター)にて診断すると


様々な故障表示が出ていました。

BMW独特のツリーにて確認しても
故障の原因が特定できません。

当社には他にも色々な診断機があり
汎用機AUTELで診断しても同じような故障表示が出ています。

やはりDSC系統の故障表示です。
BMWテスターISISまたAUTELでの診断にて共通しているのが
「アクティブステアリングレシーバーが
不完全なメッセージまた存在していません」の表示です。
これはDSC系統の故障表示になります。
またこの表示から推測するとコンピュータからの信号に原因があるのでは
と読み取れます。

配線図また配置図からコンピュータの位置を調べて
コンピュータの点検に進みます。

運転席シート脱着
フロアカーペットを一部取り除くと
DSC系統のアクティブステアリングCPUが見えてきました。

一瞬でわかるのですが コンピュータ自体が浸水しコネクターが腐食していました。
これではコンピューターからの信号が出るはずがありません。


コンピューターのふたを取り外し 水浸しになっている基盤部分を清掃し
コネクタ部分またフロアカーペットは可能な限り水分をとり除きました
運が良かったのかコンピュータは正常に作動し故障表示も出なくなりました
がこれでは修理が完了していません。
なぜフロアカーペットに水が浸入したのかを探らなければまた同じことになります。

ルーフまたフロアなどからの水の侵入を点検しましたが特に問題はありませんでしたが
足元に水滴を発見。
原因はエンジンルームからボンネットワイヤーのパッキン部の隙間通り
運転席のフロアカーペットに水が浸入していました。

あまりない症状ですが
パッキン部を修復し無事に作業が完了しました。

本来であればアクティブステアリングCPUの交換しなければならない作業ですが
正常に作動するので今回は様子見てもらいます。

ボンネットワイヤー部より水漏れ
思いもしないところからの水漏れでしたが原因がわかって良かったです。
固定観念にとらわれないことですね。