車両データ
車名:アルファロメロ147
年式:H21.5
走行距離:68,511km
状況確認
エンジンが止まってしまいかからないということで、入庫されました。
エンジンを回してみると、シリンダーの圧縮が無いような音がしています。
タイミングベルトのカバーの間からのぞいてみると、カムシャフトが動いていません。
タイミングベルトが切れてしまっていることが想像できます。
タイミングベルトのカバーを外したところ、タイミングベルトが破損していました。
原因は、ウォーターポンプの焼き付いて止まってしまったため、プーリーとベルトの摩擦を起こしてしまったと判断しました。
ベルト自体が熱を持っているため、テンショナプーリーのプラスチック部分が溶けて変形し、ベルトがズレてしまっています。
クランクシャフトはセルで回るのに、2本のカムシャフトは本来ベルトで回るはずなのですが、ベルトの破損とゆるみで回りません。
エンジン内部では、ピストンは動くが、バルブが動かないため、ピストンの突き上げが起こり、バルブが曲がっていました。
オーバーホールも可能ですが、お客様のご要望もあり中古のエンジンを探して各部を点検交換し作業を進めました。
オーバーホールよりも早く解決でき、安価にてお渡しできるのでお客様に喜んで頂けたと思います。
せっかくエンジンを下ろすので、クラッチのレリーズベアリングを交換します。
ミッションマウントも交換します。
エンジンマウントのロットのブッシュも交換します。
ドライブシャフトの内側のオイルシールも交換します。
気になる部品はひと通り交換し、修理完了となりました。
今回は大掛かりな修理となりましたが、元をたどるとウォーターポンプの焼き付き。
輸入車の場合、60,000km走っているとタイミングベルトは交換する時期です。
タイミングベルトを交換する際にはプーリーも交換することが多いのですが、ウォーターポンプも同時に交換することをお勧めします。
この部分は外側から見ることができず、点検するのに費用がかかります。
そういった部分は定期交換の意識を持つことが重要です。